2015/03/01
前回は正しい歯並びのポイントをご紹介しましたが、
今回は、逆に不正咬合というものはどういったものかを
紹介していきたいと思います。
まず不正咬合には大きく分けて審美的な不正咬合と、
機能的な不正咬合の2種類があります。
※実際は、もっと多くの分類に分かれますが、
今回は、分かりやすく2つの分類でお話しします。
審美的というのは言葉の通りで、
「見た目」に関する不都合の出ている状態を指します。
機能的というのは、咬み合わせの機能自体に
不都合が出ている状態なので、
食事や発音など日常の生活に支障が出ていることが多々あります。
大人の患者さんの場合は
審美的な不正咬合を矯正治療したいと言う方
が比較的多い気がしますが、
子供の矯正の場合は、機能的不正咬合の治療を
希望される方が多いかも知れません。
今回ご紹介するのは、審美的不正咬合の種類です。
審美的といっても機能面で不都合が出てくる
審美的問題と機能的問題の両方の複合タイプの場合もあるので、
あくまで一つの参考になればと思います。
1)上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突はいわゆる「出っ歯」のことを指します。
極端に上の前歯が出ている状態で、多くの日本人に見受けられる症状です。
上の前歯が出ているだけでなく、上顎全体(骨格)が出ている場合もあります。
2)反対咬合(はんたいこうごう)
反対咬合は上顎前突の反対です。
つまり下顎が前に出ている状態です。
「受け口」とも言います。あと表現は悪いのですが「しゃくれ」と呼ぶ方もいます。
上の前歯が舌側、内側に倒れているという「歯だけの反対咬合」
下顎自体(骨格)が前に出ているという「骨格性の反対咬合」もあります。
機能的にも問題があり、発音の障害などにつながります。
3)叢生(そうせい)
叢生はデコボコのことを指します。
乱ぐい歯や八重歯もこれに含まれます。
歯列にスペースがない場合に起こり易く、
歯が前後に並んでいて表から見えなくなってしまっている場合もあります。
4)正中離開(せいちゅうりかい)
正中離開はあまり知られていない単語かも知れません。
正中は一番前の2本の歯の間のラインを指します。
比較的子供の患者さんに多く、この2本の前歯に隙間が出来ている状態です。
いわゆる「すきっ歯」と呼ばれているタイプです。
それぞれの症状にはそれぞれの原因があります。
同じ受け口、出っ歯でもそれぞれ患者さんにより治療方針も変わってきます。
患者さんそれぞれの状態を正確に判断したうえで矯正治療をご提供していければと
思います。
また次の機会に開口、交叉咬合、過蓋咬合などの
機能的不正咬合について書いてみたいと思います。