2015/03/28
矯正治療は美容というイメージが過去において一部でありましたが、
最近では歯列矯正治療の認知度も高くなり
単に見た目だけでなく、顎の位置、かみ合わせ全体をみた健康面を
気にされて矯正治療を希望される患者さんが増えてきました。
それと同時に顎関節症という言葉も様々なところで耳にするようになってきました。
そこで今日はそもそも顎関節症というのは
どういったものなのかについてお話ししていきたいと思います。
まず、なぜ咬み合わせと顎関節症が関係しているのかというと、
肩こり、頭痛などの原因の一つとしてかみ合わせが注目されてきたことがあります。
一見かみ合わせと頭痛などは関係ないように見えますが、
顎の筋肉のバランスなどが肩こりにつながり、
そこから頭痛につながる可能性など様々な
研究がされてきているのが現状です。
※顎関節症は、多因子疾患(多くの原因がからんで出現する疾患)
といわれていますので、咬み合わせのみの単独の理由で必ずしも顎関節症が
発症するわけではありません。
いわゆる「悪い咬み合わせ」=「顎関節症」ではありません。
顎関節症に関して興味深い報告があります。
顎と咬み合わせに関する学会、日本顎咬合学会という学会があり
約17,000名を対象にしたある調査では、
男性で14.9%、女性で17.3%の方が顎関節症と診断されたそうです。
顎関節症は、20代~40代に多いとされていますが、
近年では若年者にも増加しているといわれています。
今では虫歯、歯周病とともに歯科三大疾患に
並ぶのではないかというほど身近なものです。
顎関節症のメカニズムについてですが、まず顎の関節の仕組みですが、
頭蓋骨の顎の部分に下顎頭(下あごの骨)がはまっています。
そして頭蓋骨と顎の関節が食べ物を咬む際にゴリゴリ擦れない様に
頭蓋骨と下顎頭の間に関節円盤というクッションの役割を
果たす軟骨の様な物が存在します。
このクッションがずれてしまうと顎の開閉の際に
頭蓋骨と下顎頭が直接擦れてゴリゴリという音が
鳴ったり、痛みがでたりします。
それ以外にも症状の出方には様々なバリエーションがありますが
詳細に記載するともっと長文になりますので
今回は、割愛いたします。
顎関節症は、多因子疾患(多くの原因がからんで出現する疾患)
といわれており、精神的ストレス、生活習慣、もともとの顎の関節の弱さ、
ブラキシズム(歯ぎしりや食いしばり等)咬み合わせ等、
さまざまな要因によって出現するといわれています。
症状として口が開かない。顎の周囲の筋肉に痛みがある。
口を開けると顎の関節に音が鳴る。
等、その症状は多岐にわたります。
前述したように「咬み合わせのみ」=「顎関節症」ではありませんが、
咬み合わせも顎にとって重要な要素となります。
出っ歯や受け口などの不正咬合は審美的問題と同時に、
顎の機能に影響を及ぼしているケースも少なくありません。
矯正治療専門医院として多岐にわたり診断して良い治療を目指していきます。