2018/06/01
今回は矯正治療後も綺麗な歯並びを保つことに
関して書いていきたいと思います。
矯正治療は、不正咬合を、ブラケットとワイヤーの力を利用して
綺麗に並べていく治療です。
不正咬合の種類は叢生(凸凹、乱ぐい歯、八重歯)や、捻転(歯のねじれ)、
上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)など様々あり、
その症状の大きさも様々です。
さらに一つの不正咬合をとってみても原因が違い、
患者さん一人一人にあったオーダーメイドの治療方針を
考えていく必要があります。
この原因に目を向けていくと、一つ大きなポイントが見えてきます。
それは、原因解決をしないと、あるいは、綺麗な歯並びを長く維持することをしないと、
歯並びは後戻りを起こす可能性があるということです。
矯正治療を開始するまで、“その状態”をずっと維持してきているので、
1,2年の期間で歯並びを綺麗にしても、もとに戻ろうとする力が働いてしまいます。
これを後戻りと呼んでいます。
これはダイエットで考えるとわかりやすいのですが、
急激に痩せようとすると必ずリバウンドしようとするのと同じです。
せっかく綺麗な歯並びを手に入れても、
しっかりと“その状態”を保つ努力をしないと
多少なりとも元に戻ってしまいます。
そこで重要になるのが、保定装置と日々のしっかりとした歯磨きです。
■保定装置について
保定装置は、リテーナーとも呼んでいますが、
綺麗になった歯並びを維持するための装置です。
歯の裏側に直接細いワイヤーを付けるタイプ、
マウスピース型の取り外しできるタイプなどがあり、
患者さんに合わせて作ります。
このマウスピースタイプの取り外し可能なリテーナーは、
患者さん自身がしっかりと装着し続ける必要があります。
成人の矯正治療の場合は、ご自身で治療費を払い、
主体的に治療を受けるので、比較的しっかりと装着される方が多いのですが、
小児矯正の場合は親御さんがしっかりとケアしてあげる必要があります。
■丁寧なブラッシング
これは矯正治療後に限った話ではありませんが、
なぜしっかりと歯磨きをする必要があるかというと、
虫歯が原因で不正咬合に戻るケースもあるからです。
虫歯になったからすぐに不正咬合になるというわけではありませんが、
虫歯が悪化し歯周病になったり、歯を抜くことになると不正咬合に繋がってしまいます。
歯が抜けたスペースに隣接歯が倒れこんだり、
噛み合わせのバランスがおかしくなり、
顎関節症につながってしまうこともあります。
矯正治療はある程度時間がかかる治療です。
けれども綺麗にすることで様々なメリットがあります。
せっかく綺麗に並んだ歯並びですから、
お年寄りになるまでの財産として残るよう、
しっかりとしたメンテナンスを見につけていただければと思っております。