2022/06/05
今回は、歯ごたえの重要性という点についてお話していきたいと思います。
皆さんは歯ごたえのある食べ物と聞いたら、何を思い浮かべるでしょうか?
本当に硬い食べ物として、スルメイカやおせんべいなどを思い浮かべたり、
麺好きの方は讃岐うどんやバリカタのラーメンを思い浮かべる人もいるのではないかと思います。
実はこの歯ごたえというのは、おいしさを感じる大事な要素になっていて、
一昔前の宇宙食はパックに入れた流動食の様なものだったのですが、
近年では固形のものに変わってきました。
もちろん技術の進歩という事もあるとは思いますが、
長期間宇宙に滞在する宇宙飛行士の方も味気ないご飯だけでは辛くなってしまうのではないかと思います。
話を戻しますが、歯ごたえがおいしさを感じる要素となるために、
まず歯ごたえの感じ方を説明します。
まず食べ物を口の中に入れて噛むという行為を行います。
その時に、歯に掛かる力を歯茎の中に埋まっている歯根という部分と、歯茎の圧力を感じ取る感覚器官でどの程度の圧力が現在掛かっているのかという事を脳が理解します。
そして、噛むという行為を行った時に、顎の筋肉がその動きに応じて感覚器官が働きます。筋肉のセンサーは非常に敏感で、掛かる力と必要な力を正確に再現しているのです。
これら2つの歯に掛かる圧力と、咀嚼時の顎の筋肉に掛かる力が合わさって初めて歯ごたえという感覚が生まれます。
入れ歯になってしまった方が食べる楽しみが少なくなったという話を聞いたことがあるのではないかと思います。
しかし、入れ歯でもこれまでと同じものを食べた際の味は変わらないはずなのに、
食べる楽しみが減るという事はどういうことなのか疑問を持ったことがある人もいるのではないでしょうか。
もうお分かりかと思いますが、上で書いた「噛む」という行為の歯根と歯茎に掛かる力を感じる感覚器官が入れ歯になってしまうと働かなくなるため、
歯ごたえがとても感じにくくなります。今までと同じような感覚で食べ物を食べているつもりでも、満足感が得られにくいという原因の大きな要素になっています。
日本でも8020運動(80歳まで自分の歯を20本残そうという運動)も以前から行っており、自分の歯を残すための活動を推奨しています。
日ごろのメンテナンスの重要性を再認識し、メンテナンスをしっかりと行いやすくするための矯正治療を検討する方も少し増えてきたように感じます。
食事を美味しく取れるという幸福感を少しでも長く味わうため、
ご自身のメンテナンス方法を少し振り返って採点してみるのもいいのではないでしょうか。もしメンテナンスのやり方がわからない方などはいつでもお気軽にお問い合わせください。