2022/07/17
今回は、切端咬合(せったんこうごう)という症状についてお話していきたいと思います。
あまり聞いたことがない言葉かもしれませんが、切端咬合とは噛んだ時に上下の前歯の切端(歯の先端部分)がぴったりと合わさっている状態のことを指しています。
漫画などでたまに見られる咬合ですが、現実にその様になっている場合はあまりいい咬合状態ではありません。ではなぜ切端咬合が良くないのかを説明していきます。
◆切端咬合のデメリット
・上下の歯の咬耗
切端咬合は上下の歯がちょうどぴったり合わさるような噛み合わせなので、上下の歯が擦れて削れてしまうことがあります。虫歯などの疾患がないのに前歯が痛むことがあれば、もしかしたら切端咬合が原因かもしれません。
また、エナメル質が削れてしまった歯は虫歯になるリスクも上昇してしまいます。
・咀嚼機能の低下
上下の咬み合わせがズレていることから、奥歯で物をしっかり噛めないケースもあります。また、前歯で食べ物を噛み切る際にも過度な力が掛からない様にセーブする癖がつき、しっかりと噛み切れないという事も起こりえます。
・顎関節への負担
切端咬合などの不正咬合は、正しい歯並びでないために顎に負担がかかりやすくなります。歯並び自体がきれいな場合は、矯正治療などを検討する方が少なくなってしまいますので、知らず知らずのうちに顎関節への負担を積み重ねているという人もおられるかと思います。
・顔貌への影響
切端咬合で歯が咬耗してくると痛みや違和感から前歯を使わず、奥歯だけで物を食べようとしてしまうことがあります。
片顎ばかりで物を食べていると顔貌の左右のバランスが崩れて顔貌が鵜変わってしまうこともあります。
では切端咬合の治療法としてはどの様なものがあるのでしょうか。
軽度な症状であれば矯正治療で比較的早く改善が見込めるかと思います。ただ、下顎前突(しゃくれ、受け口)などの症状を併発している場合は、その根本原因も改善していく必要があるため、少し治療の期間としては長くなる可能性もあります。
いずれにしても矯正治療を専門に行っている歯科医院でのしっかりとした検査・診断を行ってみないと原因はわかりませんので、切端咬合になっているという方はお早めに相談にお越しいただけたらと思います。
しっかりと説明し、納得いただいた上で治療をスタートするようにしておりますので、ご安心ください。