スリーインサイザーとは:「ひらの矯正歯科」ブログ

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スリーインサイザーとは

今回は、「スリーインサイザー」についてお話していきたいと思います。

 

スリーインサイザーという言葉をご存知ですか?あまり聞きなじみのない言葉かもしれませんので、まずは言葉の説明から始めていきたいと思います。

 

 

永久歯が生え揃うと、上あごと下あごそれぞれ16本ずつ=前歯(4本)、犬歯(2本)、小臼歯(4本)、大臼歯(6本:親知らず含む)で上下合計32本の歯が生えてきます。

 

しかし、何らかの原因でこの歯の本数が初めから少ないという人もおり、この産まれつき歯が少ないことを先天性欠如(先天性欠損)といいます。この先天性欠如は、歯胚(しはい)という歯の元になるものが何らかの原因で欠如することで起こり、側切歯(前から2番目の歯)や第二小臼歯(前から5番目の歯)に起こりやすいと言われています。

 

 

では話を本題に戻して、スリーインサイザーとは下顎の前歯が先天性欠如で1本欠損して、本来4本ある前歯が3本しかない状態のことを指しています。欠如といっても、歯のスペースがぽっかり空いているわけではないので、歯科検診などで自分以外の人から指摘されて初めて知るというケースも少なくないです。

 

スリーインサイザーだから必ずしもすぐに治療しないといけないというわけではなく、上下の噛み合わせなどに問題が無いのであればそのまま様子を見るという事もあります。しかし、上下の歯の本数が異なって生えているため、多くの場合は歯の前後的な噛み合わせなど何かしらの不正咬合を有しているケースが多いように思います。

 

スリーインサイザーの治療は少し難しく、詳細な診査・診断を行い、治療計画を立てた上で患者さんと相談させていただいております。上顎の前歯が4本に対して下顎の前歯が3本のため、正中線(顔の真ん中の縦のライン)を合わせることができず、いずれかの歯を抜歯することがあります。ただ無理に正中線を合わせると問題が生じやすいので、多くの場合噛み合わせや他の歯のバランスを考慮した治療計画を立案することになります。

 

また、インプラント治療と併用するなど他科との連携を行うこともありますので、私たちもかなり慎重に検討した上での治療となります。

 

難しく書いてきましたが、スリーインサイザーに困って治療に来たという人より、他の不正咬合で治療の相談に来てみたらスリーインサイザーだったという人も多く居られます。

 

 

意識して歯の本数を数えてみないとなかなかご自身で気が付くことも難しいと思いますので、歯科検診など何かチェックのきっかけを作ってみるのは如何でしょうか。もちろんご自身でチェックしてみて、何か気になることが出来た場合にもいつでも相談に来ていただけたらと思います。