ひらの矯正歯科|横浜市の矯正歯科 ブログ

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インプラント治療前に矯正治療を行うメリットとは?

インプラント治療は、失った歯を人工歯根で補う治療法として近年注目されています。しかし、治療計画を立てずに進めてしまうと、インプラントが定着しなかったり、トラブルに繋がることもあります。

そこで、今回はインプラント治療前に矯正治療を行うメリットについて解説します。

①インプラント治療の成功率を高める
歯並びや咬み合わせが悪いままインプラント治療を行うと、以下のような問題が発生する可能性があります。

・噛み合わせの負担がインプラントに集中し、歯周病やインプラント破損のリスクが高まる
・インプラント周囲の骨や歯茎に負担がかかり、インプラントの喪失につながる
・審美的に不自然な仕上がりになる

一方、矯正治療で歯並びや咬み合わせを改善してからインプラント治療を行うことで、これらの問題を予防することができます。

②インプラント周囲の清掃を容易にする
歯並びが悪いと、歯ブラシが行き届かず、インプラント周囲炎などのトラブルが発生しやすくなります。矯正治療で歯並びを整えることで、清掃が容易になり、インプラントを長持ちさせることができます。

③残存歯の負担を軽減する
インプラント治療で失った歯を補うだけでなく、矯正治療で歯並びを整えることで、残存歯にかかる負担を軽減することができます。

④審美性を向上させる
歯並びや咬み合わせが改善されることで、より自然な美しい口元になります。

⑤将来の治療計画を立てやすくする
矯正治療で歯並びを整えることで、将来必要になるかもしれない他の歯科治療の選択肢を広げることができます。

■まとめ
インプラント治療前に矯正治療を行うことは、インプラント治療の成功率を高め、審美性を向上させ、将来の治療計画を立てやすくするなど、多くのメリットがあります。
インプラント治療を検討している方は、ぜひ矯正治療との併用についてもご検討ください。

下顎後退症とは?原因、症状、治療法をわかりやすく解説

下顎後退症とは、下顎が本来の位置よりも後ろに位置している状態です。顎のラインが不明瞭になり、顔が小さく見える(顎のラインが見えないため、太ったようにも見えてしまう)一方で、呼吸困難、噛み合わせの悪化など様々な問題を引き起こす可能性があります。

 

■原因

下顎後退症の原因は、遺伝、骨格、アレルギーなどの環境要因などが複合的に絡み合っていると考えられています。

 

近年では、口呼吸が下顎後退症の一因となる可能性も指摘されています。口呼吸を習慣化してしまうと、顎の筋肉が弱くなり、下顎が後退しやすくなるのです。

 

■症状

下顎後退症の主な症状は以下の通りです。

 

・顎のラインが不明瞭

・顔が小さく見える

・口呼吸

・呼吸困難

・いびき

・睡眠時無呼吸症候群

・噛み合わせの悪化

・ガミースマイル

・顎関節症

・顔の左右非対称

 

これらの症状は、程度によって異なりますが、日常生活に支障をきたす場合もあります。特に噛み合わせの悪化に関しては過蓋咬合になりやすく、歯周病や顎関節症などにもつながるリスクが高くなります。

 

■治療法

下顎後退症の治療法は、症状の程度や原因によって異なりますが、いくつかの治療選択肢があります。

 

・矯正治療:軽度から中等度の症状であれば、矯正治療で歯並びや咬み合わせを改善することで、下顎の位置を前方に移動させることができます。

・外科手術:重度の症状や、矯正治療では改善が難しい場合は、外科手術で下顎骨を切断、移動させて位置を調整します。

・マウスピース:軽度から中等度の症状で、矯正治療に抵抗がある場合は、マウスピースを用いて下顎の位置を前方に移動させる治療法もあります。

 

 

■まとめ

下顎後退症は、見た目だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。気になる症状がある場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

歯科技工士記念日

今回は、歯科に関する記念日として制定されている、歯科技工士記念日について紹介していきたいと思います。

 

歯科技工士記念日とは、2005年(平成17年)に日本歯科技工士会が制定した記念日で、歯科技工士という専門職の重要性を社会に広く伝え、その貢献を讃える日とされています。9月24日という日付は、1955年(昭和30年)に日本歯科技工士会が発足したことに由来しており、それ以降多くの歯科技工士が日々の歯科診療をサポートしてくださっています。

 

では歯科技工士は普段どの様な役割を担っているのでしょうか。

歯科技工士は、歯科医師からの指示書に基づいて、入れ歯や差し歯などの歯科技工物の製作・加工を行う仕事です。私たちの様に歯列矯正治療を専門で行っている歯科医院でも、日々の診療で使用するものを作成していただいています。ではその一例をご紹介します。

 

 

・矯正模型

 

矯正治療をすでに行っている方は見たかもしれませんが、患者さんの口腔内の状態を再現した白い石膏の模型を作成していただいています。この模型を基に治療計画の立案やブラケットと呼ばれる矯正装置の装着位置などを決定していくのでとても重要な模型です。最近ではデジタル上で模型を作成するサービスなどもあり、様々なサービスが展開されています。

 

・拡大装置

 

日本人は歯列の横幅が狭い、狭窄歯列の方が多い傾向にあります。治療方針などにもよりますが、成長がまだ見込まれるお子さんなどで急速拡大装置やクワッドヘリックスと言われる装置を使用することがあります。これは模型を患者さんの模型を作成して、その模型上で装置を設計するので歯科技工士さんに依頼することが多いかと思います。

 

・リテーナー

 

動的矯正治療終了後に、後戻りを防ぐために使用する装置です。歯の裏に直接ワイヤーを接着するものなどは歯科医院内で処置することが多いですが、取り外しが出来るタイプのリテーナーは作成依頼を出すことが多くあります。先ほどの拡大装置と同様に、模型上でフィットしているかを確認しながら作成するため、とても手間暇がかかっています。

 

 

この様に、歯科技工物に関して例を挙げだすとキリがないですが、よく見かける技工物の一例を紹介してみました。実際に治療に携わっているのは私たち歯科医院の歯科医師や歯科衛生士ですが、歯科技工士さんという裏方のお仕事をしていただいている方に支えられて日々の診療が成り立っています。患者さん一人一人のために作成して貰っている歯科技工物なので、感謝の気持ちを込めて大切に使っていきましょう。

スリーインサイザーとは

今回は、「スリーインサイザー」についてお話していきたいと思います。

 

スリーインサイザーという言葉をご存知ですか?あまり聞きなじみのない言葉かもしれませんので、まずは言葉の説明から始めていきたいと思います。

 

 

永久歯が生え揃うと、上あごと下あごそれぞれ16本ずつ=前歯(4本)、犬歯(2本)、小臼歯(4本)、大臼歯(6本:親知らず含む)で上下合計32本の歯が生えてきます。

 

しかし、何らかの原因でこの歯の本数が初めから少ないという人もおり、この産まれつき歯が少ないことを先天性欠如(先天性欠損)といいます。この先天性欠如は、歯胚(しはい)という歯の元になるものが何らかの原因で欠如することで起こり、側切歯(前から2番目の歯)や第二小臼歯(前から5番目の歯)に起こりやすいと言われています。

 

 

では話を本題に戻して、スリーインサイザーとは下顎の前歯が先天性欠如で1本欠損して、本来4本ある前歯が3本しかない状態のことを指しています。欠如といっても、歯のスペースがぽっかり空いているわけではないので、歯科検診などで自分以外の人から指摘されて初めて知るというケースも少なくないです。

 

スリーインサイザーだから必ずしもすぐに治療しないといけないというわけではなく、上下の噛み合わせなどに問題が無いのであればそのまま様子を見るという事もあります。しかし、上下の歯の本数が異なって生えているため、多くの場合は歯の前後的な噛み合わせなど何かしらの不正咬合を有しているケースが多いように思います。

 

スリーインサイザーの治療は少し難しく、詳細な診査・診断を行い、治療計画を立てた上で患者さんと相談させていただいております。上顎の前歯が4本に対して下顎の前歯が3本のため、正中線(顔の真ん中の縦のライン)を合わせることができず、いずれかの歯を抜歯することがあります。ただ無理に正中線を合わせると問題が生じやすいので、多くの場合噛み合わせや他の歯のバランスを考慮した治療計画を立案することになります。

 

また、インプラント治療と併用するなど他科との連携を行うこともありますので、私たちもかなり慎重に検討した上での治療となります。

 

難しく書いてきましたが、スリーインサイザーに困って治療に来たという人より、他の不正咬合で治療の相談に来てみたらスリーインサイザーだったという人も多く居られます。

 

 

意識して歯の本数を数えてみないとなかなかご自身で気が付くことも難しいと思いますので、歯科検診など何かチェックのきっかけを作ってみるのは如何でしょうか。もちろんご自身でチェックしてみて、何か気になることが出来た場合にもいつでも相談に来ていただけたらと思います。

舌小帯短縮症とは

今回は、舌小帯(ぜつしょうたい)短縮症というテーマでお話していきたいと思います。

 

舌小帯とは、舌の下から下顎前歯部下部の舌側粘膜にかけて繋がっているひだ状のものです。新生児の時の舌小帯は、太短く舌尖近くに付着することが多いのですが、成長に伴い退縮していくため、大人になると舌先から離れた部分に退縮していくことが一般的です。

 

 

では次に、舌小帯短縮症とはどの様な症状なのかについて説明していきます。

 

舌小帯短縮症とは、舌小帯が短い、もしくは舌先から下顎前歯部下部の舌側粘膜までくっ付いている状態のことを指しています。生まれつき舌小帯が短いケースが多いですが、まれに舌の手術後に後天的に舌小帯短縮症になってしまうケースもあります。

 

ではこの舌小帯短縮症だとどの様なデメリットがあるかを説明していきます。

 

・発音障害

 

舌小帯短縮症の患者さんで、多くの方が悩みに感じているのが発音障害です。もちろん個人差はありますが、舌先の動きが制限されているため、舌を口蓋に接触させて発音する「サ行、タ行、ラ行」が苦手と言われています。また、英語では「R」の発音がしにくいと言われることもあります。

 

・不正咬合

 

舌小帯の付着位置によっては不正咬合を引き起こすことも考えられます。舌小帯が下顎前歯の根元付近まで付着していると、正中離開(歯と歯の間にスペースが開いてしまうこと)になることがあります。

 

・哺乳障害

 

乳児の健診時に指摘されることもあるかもしれませんが、舌小帯短縮症だと乳児がうまく舌を使えず、哺乳量が少なくなってしまいます。また、舌ではなく歯茎で挟むようにして吸う癖がつくため、お母さんの乳首の痛みに繋がってしまうこともあります。

 

 

ではこの舌小帯短縮症の治療法についても紹介していきます。

 

軽度の場合はMFT(筋機能療法)によって下の可動域を広げて、症状の改善を図ることもあります。「あいうべ体操」などが一般的なMFTになりますが、歯科医師の指示の下で行うようにしてください。

 

中等度以上の場合は舌小帯切離術及び舌小帯切除術という舌小帯を切る処置を行うことが多いです。

 

ここまでで舌小帯短縮症についてある程度理解していただけたのではないかと思います。絶対に治療しないといけないというわけではありませんが、発音や不正咬合などコンプレックスに感じてしまう方も少なくないため、お悩みの方で思い当たる節があるなという方は相談だけでもお気軽にお越しいただけたらと思います。