2014/09/05
今日は矯正治療の後半、「保定装置期間」というものに関してブログを書いてみます。
一言に矯正治療と言っても、皆さんがイメージする矯正器具(ブラケット)を
歯に付けてワイヤーで歯を実際に動かしていく期間である「動的治療期間」と
歯並びが治った後のブラケットが外れた後の経過観察期間にあたる
「保定装置期間」と大きく二つに分かれます。
動的治療期間のことを「矯正治療」と思いがちですが、
実は矯正器具が外れた後半の「保定装置期間」も
とても大切な「治療期間」の一部です。
この「保定装置期間」というのは、
綺麗に治した歯並びが元に戻らないようにするために
必要な期間になります。
そもそも不正咬合(歯並びの悪い状態)になる原因は
歯の大きさと顎の大きさのアンバランス、舌の癖や顎の成長など、様々あります。
矯正治療を始めるまでのその人の環境、習慣によって出来上がった歯並びから、
ブラケットとワイヤーを使用して歯並びとかみ合わせを良くしますが、
人間の身体というのは元の状態に戻ろうとする働きが必ず起こります。
ダイエットのリバウンドに例えると分かり易いかと思います。
例えば捻転(捻じれている)歯は、
歯根(歯茎の中の部分)の周りにある歯周繊維が
ねじれた状態で維持されてきているため、
元に戻そうとするとゴムのように元のねじれに戻そうとします。
また舌の力が強く前歯を押し出す癖があった場合は、
再度歯を前方に押し出そうとし続けるため、
元に戻る力が働き続けてしまいます。
(この場合には舌の癖を治すトレーニングを
動的矯正治療と並行して行っていきます)
噛み合わせの状態や舌や唇の筋肉といった
お口の周りの環境により保定装置期間は
患者さんにより違いがありますが、
せっかく治した歯並びを維持する為にもとても大切な期間となります。