2015/05/26
横浜ひらの矯正歯科では子供の矯正患者さんが多くいらっしゃいます。
また同時に裏側矯正(舌側矯正)も多く経験してきていることから
大人の患者さんも来られます。
子供の矯正は抜歯の可能性を下げることが出来るというメリットもありますが、
いったい何歳まで矯正治療を受けることが出来るのでしょうか?
答えからいうと歯を支える組織(歯茎、顎の骨)がしっかり
していれば、「年齢的な制限はない」となります。
というのも、歯の動きから考えると説明できます。
矯正治療は、歯に矯正装置(ブラケット、ワイヤー)を付けることで
弱い力を持続的に加えます。
力を加えることで歯茎の中の歯根部分が歯槽骨にぶつからないように
免疫細胞が活動を開始します。
ぶつかりそうになる方の骨は破骨細胞という細胞が
歯の周りの骨を「吸収」します。
そして反対側の方で骨芽細胞という細胞が
歯の周りの骨を「再生」=新しく生み出します。
このように硬い骨の中を、歯の周りの骨の「吸収」と「再生」が繰り返されることにより、
歯が動いていくのが歯列矯正治療の仕組みです。
矯正治療の年齢制限がないというのは、
この吸収と再生が機能している限りは
基本的に歯を動かすことが出来るという意味です。
また吸収と再生の場である歯の周りの骨がしっかりしている
ことが大事となります。
子供と比べて大人の場合は代謝が落ちていたりするので、
再生のスピードに時間がかかることもありますが、
中には60代70代の患者さんもいらっしゃいます。
逆に矯正治療が出来ない場合というのは、
この歯槽骨に問題がある場合、あるいは歯周病が進行状態にある場合などです。
ただ歯周病と歯並びの関係もある通り、
日々のブラッシングで歯の健康状態を保つことは
とても大きな意味がありますので、
丁寧に口腔内のケアをしていきたいものです。
歯並びが悪いと歯磨きが難しくなり、
結果、歯周病や虫歯になり易く
歯を失ってしまう原因にもなってしまいます。
歯茎の状態が心配な方は、まずはかかりつけ歯科医院にて
歯周病のチェックを受けて頂き、
歯周病の治療の必要性の有無を判定して頂き、
治療の必要があれば、歯周病の処置を行って頂くことが優先となります。
ただし一度よくなった歯周病も、その後の歯ブラシが難しいと
「歯周病が治る」→「ブラッシング不足による歯周病再発」という
負のスパイラルにはまりかねません。
よって歯並びが歯周病に成り易い要因の一つである方は、
歯周病処置後に矯正治療をお薦め致します。
綺麗な歯並びで健康な歯列を維持することが矯正歯科の役割であります。
そして、歯を支える組織が健康であれば、いつの年齢でも矯正治療を受けることが
出来るのです。