2015/08/07
今回は歯並びと睡眠時無呼吸症候群の関係について少し書いてみようと思います。
睡眠時無呼吸症候群と歯並びは一見関連性がなさそうですが、
近年の研究では少しずつその関係が明らかになってきているようです。
そもそも睡眠時無呼吸症候群というものは、
上気道と呼ばれる呼吸の際の空気の通り道がふさがってしまい、
寝ているときに何度も呼吸が止まるという怖い病気です。
居眠り運転などで大きな事故につながったというニュースも
時々耳にすることありましたよね。
この睡眠時無呼吸症候群は様々な原因があり、
全て歯並びが原因ではありませんが、
近年、噛み合わせが一つの原因になっている場合もあることがわかってきました。
特に下あごが後ろの方向に下がってしまっている
下顎後退という症状の場合、
上気道がふさがりやすくなり、睡眠時無呼吸症候群に
つながるというケースが出てきているようです。
矯正歯科には様々な分野の学術会というものがあり、
その一つであるMBTという歯科矯正の学術会がありますが、
この学術会のグローバルミーティングで
チリの矯正専門医が睡眠時無呼吸症候群に関しての発表を行っていました。
この矯正専門医は耳鼻口腔科医、内科医、口腔外科医と協力し、
下顎の前方移動手術を歯科矯正と合わせて行い、
睡眠時無呼吸症候群を改善したというものでした。
これまで、受け口(下顎前突・反対咬合)や
出っ歯(上顎前突)など審美的な話も書いてきましたが、
こういった噛み合わせまで含めた症状が様々な病気に
つながってきているということがどんどんわかってきています。
単に見た目の歯ならびをきれいにするということ以上に
健康全体を含めた噛み合わせ治療の必要性が増えてきています。
睡眠時無呼吸症候群について今回は書いてみましたが、
こういった身近な問題の解決につながったという
患者さんも多くいらっしゃいます。
綺麗な歯並びと同時に、噛み合わせ、
そして、そこからつながる健康について考えて
矯正治療を行っていくことが大事となります。