2016/03/18
アメリカ人が日本人と比べて歯列矯正を受ける割合が高い
という話をよく耳にします。
なんと約25倍の矯正治療経験者がいるというデータもあるくらいです。
今回はアメリカと日本の矯正治療に関しての比較
について考えてみたいと思います。
アメリカ人の方が多いとはいえ、
日本の矯正治療患者も増えてきている気もしますが、
その要因の一つとして海外との接点が増えてきたこともあるのではないでしょうか?
実際、留学や海外への転勤を考えて発音の観点から
矯正治療を始められる患者さんもいらっしゃいます。
また、海外で矯正治療を開始して、途中で帰国したため
治療の続きを当医院で行う、あるいは逆のパターンもあります。
こういった海外と日本の両方で矯正治療をやられた方に
お話を聞くと様々な観点から違いが見えてきますし、
だんだんとそのギャップも埋まってきている感じもします。
まず歯に対する意識の違いが最も大きい差のようです。
渡米経験がある方々に聞くと、歯並びがガタガタな人や、
上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、反対咬合、しゃくれ)など
重度の不正咬合の方をまず目にしないということをおっしゃっています。
アメリカの文化では、そういった不正咬合は貧しさを象徴しているという
認識もあり、漫画などでも悪役や貧しい人を描く際には
歯並びをガタガタに描くそうです。
そのため多くのアメリカ人の親たちは、特に子供の歯並びに関しては、
誰かに勧められることなく歯列矯正に対して積極的です。
また不正咬合による健康リスク、例えば齲蝕(虫歯)や歯槽膿漏、
発音に関する問題だけでなく、スマイルそのものに対する意識も高いようです。
多種多様な人種がいるということもあり、
相手に安心感を与えるためにもスマイルが生きるために
必要なものとされてきたという話もあります。
そして日本と違い挨拶としてのキスを習慣にしています。
恋人や夫婦だけでなく友人間でも日常生活に浸透しているため、
口臭も含めて重要と捉えているようです。
もちろん歯並びに対する意識の違いだけでなく、
自由診療の観点から費用の違いもあります。
文化や歴史の違いがありますので、
もちろんどちらが正しいという話ではありませんが、
海外との距離が近くなってきた近年において、
少し意識を外に向けてみても良いかもしれませんね。