2017/04/05
今回は矯正治療に関してのアンケート結果をもとに、
少し考えていってみようと思います。
今回ご紹介するのは、ある調査会社が
男女20~40代1000人を対象にしたものです。
成人の方の矯正治療を受けられるケースが
増えてきているということもここで書いたことがありますが、
結構毎日の生活の中で歯並びが気になる場面に出会っているようです。
■歯並びが気になりますか?
・19.1%:気にならない
・80.9%:気になる
■どのような場面で歯並びが気になりますが?(気になると答えた方対象)
・465人:鏡を見たとき
・458人:会話をするとき
・424人:食べ物が歯に挟まったとき
・379人:歯並びが綺麗な人を見たとき
・323人:写真を撮るとき
まず歯並びが気になるという方に関してですが
成人の方の約80%が気になると答えています。
以前、身体のコンプレックスを持っている部位
というアンケートの1位に「歯」が上がっていたのを思い出します。
8割の方の中の半数以上がほぼ毎日出くわすシーンを挙げています。
また、ほとんどが見た目の問題から歯並びを気にしていることがわかります。
唯一ランクインしている食べ物が挟まったという点に関しては、
見た目以外のところでしょうか。
またこの調査会社が行ったもう一つの質問を見てみましょう。
■矯正治療を検討したことがありますか?
・55.6%:検討したことがない
・23.3%:検討したことがある
・21.1%:治療中、治療経験あり
こういったアンケート調査は結構あるようなので、
どこまで正確かはわかりませんが、傾向を掴むことはできます。
毎日の生活の中で歯並びを気にする場面があり、
少しずつ矯正治療に意識を向ける方が多くなってきているのではないかと思います。
ただ、やはり矯正専門医としては、
見た目の改善は当然のことで、
噛み合わせ含む機能の方もしっかりと見ていきたいと思っています。
不正咬合には上顎前突(出っ歯)や
下顎前突(受け口、反対咬合、しゃくれ)などの
外から見てもはっきりわかるものだけでなく、
正中離開や、クロスバイトなどのように
一見わかりづらいものなどもあります。
またそれを放っておくことによる、
齲蝕リスク、口臭の問題、顎関節症などへの
問題と将来まで考える必要があるものもあります。
これらもここで書いてきた通りで、その原因も様々です。
更に患者さんの性別や年齢によっても状況が変わってきます。
単に見た目を綺麗にすることだけだと、実は後戻りのリスクが隠れていたりもします。
患者さんごとにしっかりと検査したうえでの治療計画を作り、
永く安定した歯並びと噛み合せを提供していけるよう、
日々治療していきたいと思っております。