2017/10/04
癒合歯という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「ゆごうし」と読み、2本の歯が結合した歯のことを指します。
癒合歯がある可能性は、乳歯で1~5%、永久歯では0.3~0.4%と
言われているため、あまり身近な問題ではないかもしれません。
ただ、程度の差も含めて問い合わせを受けることもあるので、
少しご紹介していきたいと思います。
癒合歯は主に下顎前歯に多く見られる症状で、
その原因はまだはっきりとわかっていません。
ただ、いざ癒合歯が見つかったからと言って慌てる必要もありません。
癒合歯があった場合に注意したいのが、
くっついた歯の境界部分に溝があるかどうかです。
この間部分に溝があると、磨き残しが生じやすく、
しっかりとブラッシングする必要が出てきます。
歯科医院で歯磨きの当て方などブラッシング指導を受けると良いでしょう。
シーラントと呼ばれる歯科用プラスチック素材で溝を埋めることもできます。
また始めに書いたように、比較的、乳歯列期の方が癒合歯になる可能性が高いため、
永久歯への何かしらの影響が出る可能性もあります。
乳歯に癒合歯があると、後から生えてくる永久歯が少ない(欠損)の場合もあります。
欠損があると、上下の歯の噛み合わせバランスに問題が生じてしまうこともあります。
そのため、永久歯の歯の数を乳歯列期の間にチェックしておくことも大切です。
レントゲンで永久歯が生えてくる本数を確認することが出来るため、
歯科医院でチェックしてみましょう。
歯の本数が足りないからといって、必ずしも不正咬合になるかは、
一概に言えないため、歯の生え替わり時期に噛み合せ、
歯並びの経過を観察していくことが大切です。
上下の歯の本数に差が出ていると、噛み合せがバランス悪くなり、
変な噛み癖になってしまいます。
本来食べ物を噛むときには、28本の歯で力分散されます。
噛み癖があることで、力分散されず、
一番初めに接触する上下の歯の部分に力が集中してしまったり、
不正咬合の状態を悪化させてしまうことにつながります。
またそれを放置すると顎関節への悪影響も懸念されます。
癒合歯はすぐに治療する必要があるものではありませんが、
そのタイミングによっては早めの治療が大切になることもあります。
気になる場合は矯正治療専門医院でレントゲン検査などを
受けてみてはいかがでしょうか。