2018/02/14
矯正歯科治療は患者さん個々の不正咬合の状態をしっかりと検査し、
原因を把握して患者さんごとの治療計画を立てていきます。
そのため、歯並び相談に行ってすぐに治療開始ということはありません。
今回はそんな治療前段階の主な検査について少し書いてみようと思います。
■写真撮影
まず正面、左右、口腔内写真などの写真撮影を行います。
表から見える顔貌の状態、歯列の状態を確認していきます。
また矯正治療を行っている途中でも
顔貌の変化や歯列の変化などを観察するために撮影します。
■セファログラム(頭部X線撮影)
所謂デンタルレントゲンです。頭蓋骨、顎の骨など全体を撮影します。
そして通常の側貌写真などと重ね合わせて不正咬合の状態、原因を見ていきます。
これをセファロ分析といって、歯科矯正医がしっかりと確認する部分になります。
また、歯根トラブルや埋伏歯など、不正咬合の原因をここで見つけることもできます。
■歯列模型
患者さんの歯型を採り模型を作成します。
上下の噛み合わせバランスを確認したり、
矯正治療後の最終形態を把握することもできます。
一見歯の傾きの問題と見えても、顎のズレによって
不正咬合になっているケースもあります。
また裏側矯正(舌側矯正、リンガル)を選択される場合は、
ブラケットの装着位置を確認するために、この歯列模型は必須になります。
矯正治療前に行うこういった検査は、見えている部分だけでなく、
見えない部分を明確にすることで、
現状を正確に診断することにつながります。
細かく検査することで抜歯、非抜歯か、
あるいは患者さんの希望する治療方法が最適かどうかもわかってきます。
CTなど技術革新が起こり、検査の精度も上がってきていますが、
最終的にデータを分析し、診断するのは
やはり経験を積んだ矯正専門医が行う必要があります。
データを正確に分析したうえで、治療計画を立て、
個々の患者さんの要望に合わせて治療を始めるということが
とても大切なポイントになります。
患者さんと一緒に考えて、納得いく治療計画を立てていければと
思っておりますので、気になる部分がある方は
一度相談に来られていただければと思います。