2020/09/14
歯並びの状態は人それぞれ違い、不正咬合の種類も様々あります。
また、その原因も患者さんによって違い、矯正治療のアプローチも変わってきます。
そこで矯正治療における最も重要なステップの一つに、
治療開始前の検査と診断があります。
一人ひとり状況が違う状態を正確に把握することで初めて、
患者さん一人一人に合った診断と治療計画を立てられるからです。
その検査の中でも特に矯正治療で重要なのが、セファロ(セファログラム)と呼ばれる検査機器です。
これは、頭部のX線写真を撮るためのもので、頭部X線規格写真とも呼びます。
今日はそのセファロについてご紹介したいと思います。
■セファロ(頭部X線規格写真)とは
文字通り頭部を撮影するためのレントゲンですが、
顔面、頭部のレントゲン写真を正面と側面から撮ります。
矯正治療開始前の段階では、肉眼で確認することが出来ない歯根の状態、
歯槽骨、顎の骨の状態や埋伏歯の有無なども把握することが出来るため、
正確な診断に不可欠な情報となります。
■セファロは同じ規格で治療経過も確認できる
このセファロは、治療前だけでなく、矯正治療の途中の状態確認、
治療終了後の状態確認にも重要な役割を担っています。
同じ規格(同じ位置、被写体との距離)で撮影することで、歯の動きや傾きの変化、骨の動きなどを把握できるようになります。
■プロフィログラム
プロフィログラムとは、このセファロで撮影した写真を基に、
前歯の切端(先端のこと)や顎の先端、
大臼歯の位置など主要な計測点を結んだ図を指します。
上に書いた通り、時間が経過してから撮影したものからプロフィログラムを同じように作成し、重ねることでより正確に経過が分かってきます。
他にも通常の顔面写真等、矯正治療においては検査をいくつか行いますが、
一つ一つが重要なものです。
それは始めに書いた通り、一人一人の患者さんの状況が違うからです。
また、肉眼で見えない部分が矯正治療においてはとても大きな要素となるため、
こういった専門の検査がとても大切になってくるのです。