2021/03/14
裏側矯正(リンガル)やマウスピース型矯正装置など、
矯正治療方法が気になる患者さんは多いかと思いますが、
実は矯正治療において、もっとも大切なステップは「検査、診断」かもしれません。
というのも、どれほど技術が高く、あるいは治療中に目立たない装置を使用しても、
不正咬合の症状や原因を明確にせずに治療を開始すると、
治療結果がおかしくなってしまうからです。
ご存知の通り、歯は見えている部分(歯冠)と、見えていない部分(歯根)があります。
一見見えている部分だけ見た目を良くしても、歯根が綺麗に並んでいないことで後から問題になってしまうケースは多々あります。
歯を大きく削り、被せ物で“並んでいるように”しても、
日々の生活の中で負荷がかかり、被せ物が壊れてしまったり、
顎関節に異常が生じてしまいます。
これまでもお伝えしてまいりましたが、不正咬合の種類は様々ですが、
患者さんによってその原因や症状の度合いも全く違います。
そのため、正確に検査を行い、診断して治療計画を立てていくことが重要になるのです。
そこで重要になってくるのが歯科用のデジタルレントゲンと歯科用CTです。
デジタルレントゲンはほとんどの矯正を専門に治療している歯科医院にあると思います。医科で使用する胸まで撮るものと比べて被ばく量は圧倒的に小さく済みます。
デジタルレントゲンで撮った写真は、拡大することで親知らずの状況や埋まってしまっている歯の状態、いわゆる外観から見えない骨の中の状況を3次元的に把握することができます。
歯科用CTは更に詳細に3次元的に歯の状態を正確に把握するために役立ちます。
過剰歯のように埋まっている歯や、歯根の向きや深さなどを全方位確認することが出来ます。デジタルレントゲンだけでは、撮った向きからの角度しか分かりませんが、
CTであれば全方位把握できるだけでなく、正確な測定も出来るのがメリットです。
患者さんの想像以上に歯並びは見えていない部分の影響が大きく、
そこをしっかりと把握しないで治療を開始することは、
矯正治療後の後戻りリスクにも大きくかかわってきます。
ひらの矯正歯科では、実際に治療を行っている時間も大切に捉えていますが、
正確な検査と診断によって、安心して治療を受けていけるように、
そして綺麗になった歯並びを長く維持できるようにと考えています。