前歯で物を噛めないとき:「ひらの矯正歯科」ブログ

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前歯で物を噛めないとき

今回は、年齢を問わず問い合わせがある前歯で物を噛みきれないという相談内容について少しお話していきたいと思います。

 

サンドイッチやハンバーガーが例としては分かりやすいのではないかと思いますが、食べようとして口に入れて噛んだ時に、中の野菜が噛みきれずにパンの方に残っている、もしくはそのままズルっと引っ張り出されてしまうということはありませんでしょうか?

たまたま噛みきれずにそうなってしまうこともありますが、ほぼ毎回そうなってしまうという人に関しては今回のお話が当てはまるのではないかと思います。

ではこの前歯で物が噛めないという現象は、何が原因になっているのでしょうか?

 

  • 開咬

 

上下の前歯が離れていて、接触していない状態を指しています。正常な歯列の人は、奥歯でキャンディーを噛んだ状態だと、前歯が接触しなくなるというのがお判りいただけるのではないかと思いますが、極端に言うとこの様な状態のことを言います。

そもそも前歯が接触していないため、食べ物を噛みきることが出来ないという症状です。

 

2、上顎前突

 

上顎前突(出っ歯)は、パッと見た感じだと上下の歯が噛んでいるように見えるのですが、歯が前後的にズレているため、実際には噛んだ時に歯が接触しない状態になっています。

ただ軽度な上顎前突の場合、少し下顎を前に出すように動かすと噛みきれるようになるため、本人は無意識で気付いていないこともあります。

 

 

この様な原因が考えられるのですが、この前歯で物を噛めないということは食事が食べにくいという問題以上に歯に悪影響を及ぼすことがあります。

 

歯は上下でそれぞれ14本ずつ(親知らずがあると16本)生えており、しっかりと上下の対合する歯で噛み合わさていることによって、噛む力を分散しています。

噛むときの力は諸説ありますが、ご自身の体重程有ると言われているため、接触している歯が多いほど1本に掛かる力は少なくなるため、歯や歯周組織にやさしい状態となります。

 

この時にたまに質問を受けることがあるのですが、治療計画で抜歯の説明があったが、歯を抜くのは本数が少なくなるから良くないのではないかということです。

結論から言いますと、上下の歯をしっかりと噛み合わせるために抜歯の治療計画をしていて、抜歯した方が力バランスが整う際にのみ抜歯の可能性が出てきます。

本数が多くても長期間しっかりと噛み合わせが維持できる歯列でなければ歯が残っていても歯にやさしい状態だとは言えません。

もちろん患者さんの意見は最大限尊重するように治療計画は立てていきますが、どうしても抜歯が必要になる時にはそういった点も考慮しているということはお伝えしておきます。

 

いずれにしても、前歯で物が噛めないという状態は、放置して良くなることは無いため、早期に治療する方が後々のご自身の歯を残すという観点からはメリットがあると思います。その他にも何か気になることがある場合は、いつでもご相談ください。