マスク酸欠とは:「ひらの矯正歯科」ブログ

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マスク酸欠とは

今回はあまり意識していない人も多いかもしれませんが、

マスク酸欠というテーマでお話していきたいと思います。

 

新型コロナウイルスが蔓延してから、日常的にマスクをする生活にも慣れてきているのではないかと思います。そんな中、マスク酸欠という事を言葉にしましたので少し掘り下げてみたいなと思います。

 

ウイルスや花粉など、さまざまな要因から身を守るためのマスクですが、呼吸にとっては障害となってしまう場合があります。単純に呼吸がしにくいというだけでなく、マスク中に自分が吐いた息が溜まり、その空気を再び吸うことになります。その結果として、二酸化炭素を多く含んだ空気が体内に普段以上に流入してくることになります。

 

また、コロナ禍のストレスで自律神経のバランスが乱れると、交感神経が優位になります。交感神経が優位になると興奮状態と同様に、呼吸の間隔が短くなります。呼吸の感覚が短いという事は1回の呼吸が浅くなり、結果として酸欠の状態に陥りやすくなります。

 

では、マスク酸欠になるとどの様な症状が出るのかについても見ていきたいと思います。

 

・片頭痛や肩こり

 

二酸化炭素は脳の血管を拡張させる作用があり、酸欠の状態が長く続くと脳血管の周囲にあり触覚や痛覚を脳に伝える三叉(さんさ)神経が刺激されます。その刺激によって炎症を起こすことで慢性的な片頭痛の原因になってしまうことがあります。

また反対に、猫背などの悪い姿勢で長時間マスクを着けていると、胸部が圧迫されて呼吸が浅くなり、血液内の酸素濃度の低下など悪影響を及ぼします。そうすると、慢性的な肩こりなどが発症してしまう可能性もあります。

 

・不安やイライラが増幅

 

セロトニンという物質は、恐怖や怒りなどの感情をコントロールして精神を安定させる働きがある幸せホルモンと言われています。しかし、脳に酸素が行き渡らないとセロトニンの分泌が滞るといわれており、不安やイライラが増幅されてしまいます。

また、脳に酸素が行き渡らないと集中力や思考力の低下が懸念されますので、運転をするときなど危険作業に就いている人は特に注意が必要です。

 

この様に、様々な懸念点が挙げられます。ただ、私たち矯正歯科医からするとさらに別の問題もあるのではないかと思います。それは、マスク酸欠になって苦しくなると、ついつい鼻呼吸ではなく口呼吸になってしまうということです。きれいな歯並びを維持するためには、舌や唇の力によって正しい位置に保持するための力が必要になります。つまりマスクの下で口呼吸を続けていると歯並びの悪化が懸念されます。そのためいつも以上に鼻呼吸をするという事をしっかりと意識してほしいなと思います。

 

 

長いコロナ禍で、なかなかマスク生活に終わりが見えない状態ですが、マスクをしている間に矯正治療をしてしまおうという前向きに現状を捉えているという人も増えてきています。矯正専門医としてアドバイス出来ることなどもありますので、疑問に思っていることなどある方はいつでもお問い合わせいただけたらと思います。