2024/02/09
今回は、ビーバー歯という症状についてお話していきたいと思います。
ビーバー歯とは医学用語ではなく、前歯部の歯が大きくビーバーのように見えるということから名付けられている言葉です。
歯が大きくてその様に見えているのは必ずしも不正咬合というわけではないのですが、前歯部という見えやすい部位のため相談に来られる方もいらっしゃいます。
まず初めに、ビーバー歯の原因についてみていきたいと思います。
・前歯が大きい
前歯(一番前の2本の歯)が他の歯と比べて大きいため、そのように見えていることがあります。
治療の方法としては歯の形態修正を行う必要があり、IPR(ストリッピング)という歯を少し削ることによって大きさを調整することができます。
IPRを行った後には削った分だけの隙間ができてしまうので、その隙間を矯正治療によって閉じていきます。
・前歯以外が歯列の奥にある
前歯が特別に大きいわけではないのですが、前歯部以外が歯列の奥に引っ込んでいる状態です。
この場合は前方にある前歯が相対的に大きく見えているだけなので、矯正治療によって歯並びを整えると改善するケースが多いです。
では次に、ビーバー歯におけるマイナス面について説明していきます。
・顔貌のコンプレックス
ビーバーやリス、ウサギといった可愛い小動物を連想させるため、可愛いと捉えられることもありますが、人によってはコンプレックスに感じていることもあります。
笑顔に自信が持てないと人前に出ることが嫌になってしまうこともあるので、メンタル面での改善の必要がある方もおられます。
・むし歯などのリスク
前歯部以外が奥に引っ込んでいる症状の場合、歯が重なって歯ブラシが届きにくい部分ができている可能性があります。
適切なブラッシングができないと、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので注意が必要です。また、お子さんの場合は永久歯が生え揃うスペースが足りないと将来的に不正咬合になってしまう可能性もありますので、よく観察するようにしてください。
・口呼吸の可能性
状態にもよりますが、口をしっかりと閉じることができずに、口呼吸になっている、あるいは口腔内が乾燥してしまっているケースもあります。
口腔内が乾燥すると、虫歯リスクが高まったり、免疫への影響など様々な弊害につながってしまいます。
ビーバー歯について説明してきましたが、おおよそどの様なものかについてご理解いただけたのではないでしょうか。
日本では八重歯なども含めてチャームポイントと捉えられる風潮がありますが、不正咬合がある場合はリスクもあるため治療の検討をしていただくことをお勧めしています。こ
の他にも、一人一人気になるポイントは異なると思いますので、どの様な点を改善したいのかということは事前にしっかりとお伝えいただけたらと思います。
極力ご希望に沿った治療ができるように努力いたします。