マウスピース矯正治療中の虫歯について:「ひらの矯正歯科」ブログ

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マウスピース矯正治療中の虫歯について

今回は、マウスピース型矯正装置を使用して治療している最中に、虫歯になってしまった時の対処方法についてお話していきます。

一般的に、マウスピース型矯正装置は取り外してブラッシングができるため、虫歯になりにくいと思われがちかもしれません。これは個人差がありますが、半分正解・半分間違いではないかと思います。

先にも書いたように、マウスピース型矯正装置は取り外しが出来るため、固定式のブラケット・ワイヤーを使用する矯正治療よりブラッシングはしやすくなります。しかし、マウスピース型矯正装置のデメリットの一つとして、装置自体が歯に密着しており、唾液による自浄作用を受けにくくなるということです。

通常マウスピース型矯正装置は1日20時間以上の装着が必要とされており、もしブラッシングが不十分で汚れや菌が洗い流されないまま装置を装着してしまうと、虫歯菌の繁殖しやすい環境になってしまうのです。

では万が一、治療中に虫歯になってしまったらどうするのでしょうか。歯科医師による考えなどにも少し違いはあるので絶対とは言えませんが、よく言われている段階毎の対処法について説明していきます。

■C0からC1(軽度の虫歯)の場合

虫歯はC0からC4までの5段階で評価されており、数字が大きくなるほど重篤度が高くなっていきます。C0やC1という段階は、歯の一番外側にあるエナメル質という層に虫歯が出来ている段階のため比較的軽度と言えます。治療方法として少し表面を削ったり、フッ素による再石灰化を促したりする治療が中心のため歯の形は大きく変わりません。そのため、虫歯の治療とマウスピース型矯正装置を使用する矯正治療を並行して行うことが多いです。

■C2(中等度の虫歯)の場合

C2とは、エナメル質の下にある象牙質にまで虫歯が進行している状態のことを指します。虫歯の大きさなどによって異なりますが、一旦虫歯治療に専念していただくことが多いです。虫歯治療後に歯の形状が変わらなければ矯正治療をそのまま再開し、形状に変化があった場合は装置を作り直すこともあります。

■C3からC4(中等度から重度の虫歯)の場合

重度の虫歯の場合は、被せ物を作成したり、最悪の場合は抜歯なども考えられるため矯正治療は中断されます。抜歯などを伴う治療になる場合は、初めに立てた治療計画から大きく異なってしまうため、治療計画の見直しも必要になります。

この様に、虫歯の段階毎に治療方針が異なるということはお分かりいただけたのではないかと思います。ただ一般的に矯正治療中は定期的に通院していただき、お口の中をチェックしているため虫歯が出来たとしても重度まで進行するというケースはほとんどありません。

矯正治療に慣れてきた時が一番、ブラッシングなどのメンテナンスが不十分になりがちなので、定期的なメンテナンスの時にもチェックは行いますが、これを読んで少しドキッとした方は今一度しっかりとブラッシングを行うように心掛けてみてください。