2020/12/01
新型コロナウイルスの第3波と言われるほど、ここのところ感染者が増えていて毎日気になる所です。
横浜駅周辺も、驚くほど人が少なくなっていて、安全と経済のバランスの中で非常に厳しい状況が続いていますが、
一日でも早い通常通りの日々に戻れることを願うばかりです。
今日は、そのような中でもこれまでになかった患者さんが増えていることに関してご紹介したいと思います。
矯正治療中の見た目を気にされる方は、日本においてはまだまだ多く、
治療開始の最終ハードルになっているということはよく耳にします。
しかし、コロナ渦において、マスクをしているうちに矯正治療を受けておこうという患者さんが日に日に増えている感じがします。
確かに矯正治療中の見た目を気にされている方にとっては、
マスクをしている状況であれば、矯正治療を始めるよいきっかけになるというのは納得です。
これまで矯正治療中の見た目を解決するためには、矯正装置を歯の裏側につける舌側矯正を選択する
患者さんが多かったのですが、舌側矯正だと費用が少し高いこと、
マウスピース型矯正装置だと不正咬合の状態によって治療が難しかったりということが矯正治療開始の妨げとなっているケースがありました。
実際に矯正治療を開始すると、表側でも裏側でも慣れてしまえばあまり気にならなくなるという患者さんがほとんどなので、
矯正治療中の見た目というよりも、治療後の価値をしっかりと考えてみることを矯正歯科医としてはお伝えしていきたいと思っております。
とはいえ、特に舌側矯正での治療で費用を心配されている人は、
この時期で表側矯正装置での治療開始は多くの患者さんにとっても良いきっかけになっているのは間違いないようです。
2020/11/23
今年も残すところあと1か月と少しとなりました。
今年は年明け早々に新型コロナウイルス感染症の脅威に悩まされた1年になってしまいました。
当院も医療機関としてクラスターを起こさない様に感染予防対策の徹底を日々努力しております。
スタッフの健康管理、風邪の症状がある方の予約変更願い、院内の徹底的な消毒、飛沫防止ガード設置等、やれることは全て行って対策を行っております。
詳しくは、コロナ対策ブログや感染予防のページに記載しております。
さて冬季休診日のお知らせです。
12月30日(水)~1月5日(火)まで冬季休診とさせて頂きます。
※12月29日(火)は、午前のみの診療となります。
ご不便をお掛け致しますが何卒宜しくお願い致します。
緊急な場合、横浜市歯科保健医療センター(休日急患診療所):045-201-7737
までご連絡をお願い致します。
(こちらでは応急処置のみとなりますので1/6以降に当院にて通常処置を致します。)
来年は、マスクを外した笑顔あふれる1年にしたいですね。
先日、家族の希望で映画「鬼滅の刃」を観てきました。
当院でも最近、子供の患者さんとは、もっぱら鬼滅の刃の話題です。
鬼滅の刃、勢いが凄いですね。
菅総理ではありませんが、私も責務を全うし「全集中の呼吸」で今年も乗り切りたいと思います。
2020/11/09
歯を大切にしようということは、ほとんどすべての方が聞いたことがある話ではないでしょうか?
けれども、歯を大切にしないと将来入れ歯になってうまく食べられないという程度の認識の方も多いかもしれません。
今日は、歯を大切にするべき本当の理由を少し明確にしていきたいと思います。少し怖いお話になってしまうかもしれませんが、とても大切なことなのでご紹介いたします。
ここでも少し書いたことがありますが、歯のケアを怠ることで、虫歯になるだけでなく、歯周病にも大きく影響してきます。
そして、その歯周病は身体全体への悪影響につながることもどんどん分かってきています。
■認知症
実はごくごく最近、2020年10月5日に九州大学などの研究チームにより、
歯周病菌が体内に侵入することで、認知症の原因物質が脳に蓄積し、記憶障害が起きてしまうことが解明されました。
この実験では、マウスに歯周病の原因菌を3週間連続で投与し、
アルツハイマー型認知症を引き起こすたんぱく質であるアミロイドβが10倍に増加したというものです。
このアミロイドβは、ヒトにおいては脳の中で2~25年かけて溜まっていき、
認知症を進行させてしまう原因なので、まだアルツハイマーは根本的な治療法が確立されていませんが、この研究結果を逆に考えると、歯周病を防ぐことで認知症の発症リスクを下げたり、進行を遅らせることが出来ることを意味しているのではないでしょうか。
■そもそも歯周病って?
虫歯は歯自体を溶かすものですが、歯周病は歯茎を含めてダメージを与えてしまう病気です。
歯と歯茎の間の磨き残しがプラークとなり、そこに細菌が繁殖することで歯と歯茎の間の歯周ポケットを大きくし、歯の土台を溶かしてしまうことで、歯が抜けてしまうことにもつながります。実は45歳以降の歯を失う最大の原因は歯周病であることも注目しておきたい点です。
■歯周病が原因で全身のリスクに
今回の九州大学の研究結果発表以外でも、多くの健康に対する影響が報告されています。
歯周ポケットから細菌が血流に流れることでインスリンの働きを阻害し、糖尿病につながってしまったり、その糖尿病が悪化することで狭心症や心筋梗塞、そして細菌を含んだ唾液が気管に入ることによる誤嚥性肺炎なども報告されています。
今回は少し怖いお話となってしまいましたが、実は歯周病が全身への影響を与えることは20年以上前から指摘されてきていることです。
日本は世界的にも口腔ケアに関して意識が低いことが知られていて、しっかりとした情報が伝わっていないということが懸念されています。
矯正治療は歯並びを改善することで、日々の歯磨きをしやすくし、虫歯や歯周病リスクを下げることにつながりますが、矯正治療以前に、よりご自身の将来のリスクを考えて、毎日丁寧なブラッシングと、定期的なプロの口腔内ケアを続けていって頂ければと思います。
2020/10/22
通常の歯科医院でもそうですが、矯正歯科医院では様々な器具を使用します。
口の中を診るための鏡や、ワイヤーや結紮線(ブラケットとワイヤーを固定させるための細いワイヤー)などを曲げるためのプライヤーと呼ばれるものなど様々あり、
患者さんのお口の中で使用するものもあります。
そこで今日はまず、感染の原因となる細菌に対して、①消毒、②殺菌、③滅菌の違いからご紹介したいと思います。
どれも聞き慣れている言葉かと思いますが、実は意味には違いがあります。
まず、消毒についてですが、簡単に言うと細菌の力を弱めて害がない程度に抑えることを言います。これは身近にもあると思います。手を洗った後のアルコール「消毒」もそれですね。
滅菌とは特定の細菌やウィルスを死滅させることを指します。
ここでポイントとなるのは、「特定の」という限定的なものだということです。
滅菌とは全ての細菌を死滅させることを指します。
あらゆる微生物を対象としています。
このように、細菌対策においては、その除去レベルによって段階があることがお分かりいただけるかと思います。
■院内感染対策として
ひらの矯正歯科では院内感染予防として、
コップやエプロンなどはディスポーサブルのものを使用し、
更に口腔内に入れるピンセットやミラー等さまざまなものに関しては、
「滅菌」処理を行い、滅菌パックに入れて保存します。
た、細菌を全て殺す滅菌と言っても、治療器具によって形状が様々です。
そのため、高圧蒸気滅菌器、ガス滅菌器、薬液滅菌器も準備し、
どれだけ細かい器具の隙間にいる細菌でも滅菌し、
安全に使えるように対策をとっています。
また、お口の中の唾液等を吸うバキュームという機器にも
細菌やウィルスも除去ができる専用のへパフィルターを使用しているので
一度吸ったもの(細菌やウィルス等)もフィルターでカットしていますので
院内はもちろん清潔なですがクリニックの外にも細菌やウィルスを出さない様に
配慮して診療しています。
まだまだ日本はヨーロッパなどと比べると感染対策のレベルが低いのが現状です。
そのため常に院内感染予防にこだわり続けていくことが重要です。
感染予防対策をしっかりすることにより患者さんに安心して治療を受けられる環境を提供できると考えています。
2020/10/06
今日は、矯正治療を受けるにあたり、信頼できる矯正歯科医をどうやってみつけるのかというテーマで少し書いてみます。
簡単にお答えできる内容ではないかもしれませんが、
少しでも役立つ視点がお伝えできればと思います。
日本矯正歯科学会のホームページでは、
「よい矯正歯科を見つける方法」について以下のように書かれています。
“矯正歯科治療は非常に専門性の高い医療で、一般に歯科の大学を卒業した後に、
さらに十分な修練を積んだ先生が治療にあたります。
治療は顎や歯を動かす前に、これらの精密な検査を行いますが、
これらの検査機器が整っていることも条件であり、
さらにスタッフ教育など院内体制も充実していなければなりません。
従って、料金が安いことや単に近所ということで、
安易に矯正歯科医院や病院を選ばないよう注意が必要です。“
まず大切なポイントとして書かれているのが、矯正の経験を積んでいること、
検査機器が整っていること、そしてスタッフ教育がなされていることが挙げられています。間違いなくこのことは大切なポイントだと思います。
患者さん個々に状態が違うので、それなりの経験を積んでいる矯正医の方が、
いざという時の対応力などに違いがあります。
またCT設備などは診断時の正確性に影響することもうなずけます。
ただ気を付けたいのが、患者さんごとに、期待していることが違い、
場合によってはそれがリスクになる可能性もあることです。
噛み合わせを含む歯並びが完璧に綺麗になる技術を持った矯正医を探しているのか、
非抜歯で治療してくれる先生を探しているのか、治療期間が短い医院を探しているのか、
料金が安いことを重要視したいのか。
しかしその重要視している点の中には、医療という視点で本当に永い目でみて安定した歯並びにはつながらないリスクもあり、そのことを矯正歯科学会としても危惧しています。
ここでも書いたことがあると思いますが、
非抜歯治療では患者さんの状態によっては噛み合わせをおかしくしてしまうこともありますし、「1日で治る歯並び」といって歯の見えている部分を切って被せものを付けるだけのものもあります。
それでは永く正しい噛み合わせを維持することはなかなか難しいでしょう。
そこで、しっかりと話を聞いてくれて、デメリットもしっかりと教えてくれる先生というのが、信頼置ける矯正歯科医を見つける大切なポイントになります。
学会の言うように経験や設備も当然大切ですが、患者さんごとの不正咬合の状態も違い、
その原因も違い、そして治療に対する要望も違うわけですから、
しっかりとコミュニケーションが取れるかどうかということを重視して選ぶと、
患者さんの求める「信頼置ける治療」を受けられるようになるのではないかと思います。
そのためには、少し時間がかかってしまいますが、
いくつかの矯正歯科医院に相談に行くことも大切かもしれません。
少し抽象的な書き方になってしまいますが、信頼置ける矯正の先生に出会えて、
安心して治療を受け、綺麗な歯並びを手に入れることにつながればと思います。