ひらの矯正歯科|横浜市の矯正歯科 ブログ

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それぞれの歯の役割 / 犬歯編

今回は前回に引き続き歯の役割について見ていこうと思います。

前回は前歯について書きましたが、今回は犬歯についてです。

犬歯については以前も少し書いたことがありますが、
実は奥歯、前歯を守る役割もあります。

■犬歯の役割

犬歯は前から3番目の歯のことを指します。
本来肉食動物のイメージが強いですが、
食べ物に食いついて、切り裂くのが犬歯です。

犬歯は歯根と呼ばれる歯茎に埋まっている部分が最も長いという特徴があります。

正常な歯列の場合、犬歯は最も強い力を受ける役割を担っています。
顎を横に動かしてみると犬歯が当たり、他の前歯、
臼歯が浮いて離れるのがわかると思います。
前歯と臼歯に負担がかかり過ぎないような構造となっているのです。

・犬歯における主な不正咬合

八重歯?:これは以前も書いたことがありますが、
八重歯は犬歯だけのことではありません。
正常な歯列からはみ出している歯のことを八重歯と呼びます。
犬歯は永久歯の中でも最後の方に生えてくるため、
顎が小さいなどの理由から並ぶスペースがないと犬歯は正常歯列からはみ出します。

上に書いたように犬歯は他の歯の負担をカバーしています。
そのため、犬歯が八重歯だった場合は、他の歯や筋肉に負担がかかってしまうため、
身体全体に不都合が出てしまう可能性もあります。

前回の前歯と今回の犬歯は審美的に大きく影響を与える歯になりますが、
見た目の問題と同時にそれぞれの役割がしっかりとあります。
前歯であれば噛み切る、犬歯はそれと同時に他の歯の負担をカバーする
という役割などです。

またそれぞれの役割は正常歯列の際にその力を発揮します。
とても小さな影響ですが、隣の歯に影響が伝わり、
顎に影響し、筋肉に影響していきます。

一昔前まではチャームポイントとして捉えられていた犬歯の八重歯ですが、
だいぶ機能的な面が認知され始めて、
矯正治療を受けられる患者さんが増えてきています。

今回は犬歯の役割と影響を少し書きましたが、
健康につながる情報となれば幸いです。

それぞれの歯の役割 / 前歯編

今回は基本に戻り、歯の種類と役割を書いていこうと思います。

基本的に28本(親知らずを入れると32本)の各歯の役割がしっかりと整って、
噛み合わせ、咀嚼機能が正常になります。

それぞれの役割の大切さを理解することで、
歯並びを綺麗にし、齲蝕(虫歯)、
歯周病リスクを減らしていくことの意味がよりわかってきます。

今回は前歯に注目してみましょう。

■前歯の役割

前歯は上下4本ずつあります。
歯科用語でいうと「ぜんし」と読みます。

一番前の歯を中切歯(ちゅうせっし)、
二番目の歯を側切歯(そくせっし)と呼んでいます。
前歯は、食べ物を噛み切る為に使われます。

この前歯は見た目に最も影響を与えるため、
前歯に不正咬合があるということで矯正治療に来られる方が多くいらっしゃいます。

・前歯における主な不正咬合

① 叢生:デコボコ、乱ぐい歯とも呼ばれる不正咬合で、見た目に大きく影響します。
最も身近な不正咬合の一つになります。

しかし、叢生は見た目の問題だけでなく、
歯ブラシが届きづらい為、齲蝕、歯周病リスクが格段に上がってしまします。

②  正中離開:真ん中の2本の歯と歯の間に隙間が出来ている状態です。
笑った際に結構目立つため、審美的にも問題が生じます。

正中離開の原因は以前に書きましたが、
実は過剰埋伏歯というレントゲンなどで検査しないと
わからないケースもあるので注意が必要です。

③ オープンバイト:開口(かいこう)とも呼ばれる不正咬合です。
他の症状もそうですが、オープンバイトは特に発音などの問題も生じます。

特に英語の「th」の発音はなかなか難しくなってしまうため、
最近は留学前や海外転勤前に矯正治療で治す患者さんが増えてきています。
また、口腔内は乾燥しがちなため、唾液による自浄効果が低く、
齲蝕リスクがやはりあります。

ほかにも上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合、受け口)なども
前歯に問題が生じている不正咬合はたくさんあります。
こういった不正咬合は噛み合わせ全体から問題が起きている場合が多く、
前歯だけの歯列矯正というわけにはいきません。

前歯は見た目に意識がいきがちですが、
実は前歯で食べ物を噛んでいるときは、奥歯は浮いている状態になります。
万が一奥歯が浮いていない場合は、想像以上の奥歯への負担が生じてしまいます。
奥歯とのバランスなども考えて実は機能的にもとても大切な役割があるのが前歯なのです。

歯並び講演会2017 ~あづまの幼稚園にて~

開業1年目から、母校である「横浜あづまの幼稚園」にて
親御様を対象に子供の歯並びに関する講演会をしてきました。

テーマは「永久歯へのはえかわりと矯正治療」です。

梅雨の暑い時期に多くの親御様にいらして頂き光栄でした。

矯正治療というと自費、装置が大変そう、
子供が装置を使ってくれるのか?
痛いのか?装置の見た目はどうなの?
といった様に一般の皆様にとって
敷居が高いのが現状となっていると思います。

毎年、上記の疑問に答える形でスライドを作成して
講演をしてきました。

開業からずっとこの難題に取り組もうと思い、母校の
あづまの幼稚園の理事長先生にご相談したところ
快諾を頂き、現在に至ります。
今年で9回目の開催となりました。

講演が40分で、そのあとの質疑応答が約60分となり
いろいろなご質問を頂き、親御様の矯正治療や
お子様の歯並びに関しての関心の高さに
いつも感心させらています。

講演会終了後は、ご厚意により幼稚園の給食を御馳走になりました。

そこには、私が幼稚園の時からいらした理事長先生、
園長先生もいらして、なんだか40年前にタイムスリップを
した感じでした(笑)

また来年もこういった矯正治療の良さを伝えていく
啓蒙活動を積極的に行っていきたいと思います。

よろしくお願い致します。

あづまの幼稚園の皆様ありがとうございました。

年齢別歯が抜ける本数

歯を一生大切に残したいというのは、誰もが思うことです。
そのため、予防歯科などの価値がこれまで以上に高くなってきているのもあります。

以前書いたこともありますが、8020運動なども広がってきていて、
歯列矯正も8020運動に関わって多くの人の歯の健康を支えてきています。

今日は実際どれくらい歯が抜けていくのかというのを見ていってみましょう。

・40代:1.5本
・50代:2.5本
・60代:3.0本
・70代:5.5本

実は40代で平均1.5本歯が抜けるそうです。

20代、30代だと自分の歯が抜けてしまうということは
あまり想像できないと思いますが、
多くの人が40代で歯を失う経験をします。
50代、60代と抜けてしまう本数が増え、
70代になると何と5.5本も抜けてしまうそうです。

これを合わせると合計で12.5本も歯が抜けてしまう計算になりますので、
通常親知らず(智歯)を除く28本から引くと半分近く歯が
なくなっていることになってしまいます。
80歳までに20本の歯を残そうという8020運動で考えると、
多くの方が未達成になってしまうということになります。

では歯が抜ける原因は何でしょうか?

一番はやはり歯周病、次に虫歯(齲蝕)が考えられています。
この二つは実は日々のしっかりとした歯磨き、
そして定期的な歯科医院でのクリーニングでだいぶ予防出来ます。
そのため、定期検診にしっかりと行っている方の
8020運動達成率が高いというのもうなづけます。

その他の原因としては噛み合わせや怪我というもの挙げられています。
怪我に関してはどうしようもないことですが、
噛み合せと残存歯数の関連性は歯科大学の調査でも認められています。

8020運動達成者の中に重度の不正咬合、上顎前突(出っ歯)や
下顎前突(反対咬合、受け口)などが見られなかったというのは以前書いた通りです。

また歯並びが綺麗になることで齲蝕、
歯周病リスクを下げられることもあります。
歯列矯正治療を受ける目的として、
虫歯対策という方も増えてきているのも現状です。

齲蝕などの歯の問題は放っておくことで解決することは決してありません。
早い段階で将来のことを考えて、1本でも多く自分の歯が残り、
毎日の食事を楽しめるようになっていただきたいと思っています。

補綴物(つめもの、被せ物、差し歯)があっても矯正治療が出来るの?

今回は、補綴物(被せ物、銀歯、差し歯、つめもの)に
関してご紹介していきたいと思います。

齲蝕(虫歯)などの治療において、
様々な材質のつめものや被せ物を使用します。

そういった補綴物があっても矯正治療を受けることが出来ますか?
という問い合わせも増えてきています。

① コンポジット(プラスチック)

これは加工しやすく、素材自体が安いため、
治療費を抑えられる点でメリットがあります。
しかし、着色しやすく、傷がつきやすいのが難点です。
傷がつきやすいため雑菌の繁殖も心配すべき点です。

② セラミック

コンポジットとは違い表面はつるつるしていて色、透明感があるのが特徴です。
自然の歯よりも美しいというイメージもあるくらいです。
デメリットとしては、硬すぎるため、強い衝撃で割れてしまうことがあります。
また費用が少し高くなります。

③ ゴールド(金)

「金歯」という方が身近に感じられるかもしれません。
柔軟性がある為、歯にしっかりとフィットするというメリットがあります。
また隣接歯(隣の歯)を傷つける心配もありません。
更に金属アレルギーになりにくい材質として重宝されています。
デメリットとしては、当然金なので値段が高いというのがあります。

④ ジルコニア

最近注目されてきている材質で、ジルコニアというものがあります。
模造ダイヤとも呼ばれるもので、その強度がメリットです。
ただ、真っ白で透明感がないため、
表面にセラミックを吹き付けたものが歯科では多く使われています。
このデメリットとしても費用になります。

この他にも金銀パラジウム合金という銀歯や、
セラミックとプラスチックを混ぜたものなど
色々と歯科補綴物としては出回っています。

始めに書きました、そういった補綴物があっても矯正治療できるのか?
という質問に関しては、「基本的に出来ます。」というのが答えになります。

補綴物専用の接着剤を使用して、ブラケットを装着して治療する、
あるいは目に見えない少しの傷をつけてブラケットを接着するなどで
対応することもできます。

ただ上にある通り、それぞれの材質の特徴に合わせて考えていく必要がありますので、
矯正治療を開始する前にしっかりと矯正専門医に相談するようにしましょう。